【長編小説を書く方法4】『プロットの種』を使った実例

このシリーズでは、「長編小説を書く方法」、「プロットの作り方」、「アイデアをプロットに落とし込む方法」と書いて来ました。
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小説を書く方法の説明としては これで終わりなのですが、抽象的過ぎたかもしれませんので、この記事ではこれまで説明してきた方法を具体的に利用する実例をご紹介します。

wikiの「おまかせ表示」を使う

まず「プロットの作り方」でご紹介したwikiの「おまかせ表示」のリンクを、Ctrlキーを押しながら3回連打します。

たいていのブラウザでは、タブが3枚開かれます。

さて、実際に開いた各記事のタイトルは以下の3つでした。

・呪い
・ピペロニルブトキシド(ぴぺろにる ぶときしど)
・ラミロ1世 (アストゥリアス王)

・・・来ました、来ました・・・さっぱり繋がりそうな予感がしません(笑)

それぞれの意味は、・・・wikiによると・・・以下だそうです。
ちょっと情報量に圧倒されてしまいますが、心配しないで下さい。

『プロットの種』を作るにために、この辺の情報はあくまでも参考であり、今後の創造活動における教養のようなもので、一つ一つのページを深く理解する必要はありません。
軽く読み飛ばして下さい。

【呪い】
厳しい苦痛。冒とく・冒涜・憑拠
不思議な力を持つと考えられる言語の様式。まじない・咒文・陀羅尼・呪文・魔法・呪
ある人または集団に不幸を与えるために、ある超能力に訴えること。呪い言・呪い事・呪詛・詛い・詛呪・呪事・呪言・呪
悪の呪縛。ジンクス・魔女
人知を超えた力を呼び出す技。神術・呪法・咒法・妖術・幻術・呪術・術・法術・神通力・方術・魔術・マジック・魔法・咒術

【ピペロニルブトキシド(ぴぺろにる ぶときしど)】
ベンゾジオキソール誘導体およびエーテルの一種。
可燃性を持つ黄色から茶色の油状液体で、水には溶けない。
殺虫剤用共力剤(殺虫効果を高める添加剤)あるいは防虫剤として用いられる。
殺虫剤と知恵遅れの子供との間に相関があるらしい。

ベンゾジオキソール:
ベンゼン環にメチレンジオキシ基が結合した化合物。
ベンゼンと1,3-ジオキソランが1辺を共有した化合物とみることもできる。
カテコールと、ジヨードメタンなど2置換ハロメタンから合成され、香水や殺虫剤、医薬品の原料となる。

エーテル (化学):
有機化合物の分類の一つ。構造式を R−O−R’(R, R’ はアルキル基、アリール基などの有機基、O は酸素原子)の形で表される化合物。エーテルに含まれる −O− の部分をエーテル結合という。
溶媒としてのジエチルエーテルを単にエーテルということも多い。ジエチルエーテルが発見された際に、その高い揮発性を「地上にあるべきではない物質が天に帰ろうとしている」と解釈されたことから、古来天界の物質として考えられていたエーテルの名を援用して名付けられた。

【ラミロ1世 (アストゥリアス王)】
790~ 850年、アストゥリアス王。ベルムード1世の子。
実子を持たなかったアルフォンソ2世の後を継ぐ。

アストゥリアス王国:イベリア半島にかつて存在した王国。
選挙君主制:君主を世襲によらず選挙によって選出する政治体制のこと。

記事から『プロットの種』を抽出

次は、各記事から『プロットの種』を抽出します。
「アイデアをプロットに落とし込む方法」で紹介した方法を使います。

場面(シーン)は『場所的な情報』、『人物的な情報』、『アイテム的な情報』から構成されるのでした。

さきほどwikiで引いた3つの記事から、それぞれ情報を抽出します。

【呪い】
場所属性:お社
キャラ属性:詐欺師
アイテム属性:御札
メタファー属性:信じる本人にだけ真実になる

【ピペロニルブトキシド(ぴぺろにる ぶときしど)】
場所属性:蚊帳
キャラ属性:蚊に刺されやすい人
アイテム属性:殺虫剤
メタファー属性:殺虫剤の原料、揮発性

【ラミロ1世 (アストゥリアス王)】
場所属性:辺ぴな要害
キャラ属性:息子がいて再婚した人
アイテム属性:白い馬
メタファー属性:戦いに強く好きに生きた情熱家。売上が減って、唯一残った商品関連の企業を買収。

『メタファー属性』についての説明がまだでした。
ここの過程では無視しても構わないですが、後々イメージをふくらませるのにヒントになる属性として抽出しておく、そんな感じです。
ここではボンヤリと捉えておいて下さい。

さて、見ていただければ おわかりでしょうが、情報の抽出と言っても完全に個人的で恣意的な情報です。

連想ゲーム的に、属性として取り出しただけです。

三つの属性を組み合わせる

さて、上記の方法で『場所属性』、『キャラ属性』、『アイテム属性』を抽出しました。
あとは、これらを組み合わせて行きます。

・息子がいて再婚した人的な人が止むに止まれぬ事情でお社的な場所で殺虫剤的なモノを使う
・息子がいて再婚した人的な人が止むに止まれぬ事情で蚊帳的な場所で御札的なモノを使う
・詐欺師的な人が止むに止まれぬ事情で辺ぴな要害的な場所で殺虫剤的なモノを使う
・詐欺師的な人が止むに止まれぬ事情で蚊帳的な場所で白い馬的なモノを使う
・蚊に刺されやすい人的な人が止むに止まれぬ事情でお社的な場所で白い馬的なモノを使う
・蚊に刺されやすい人的な人が止むに止まれぬ事情で辺ぴな要害的な場所で御札的なモノを使う

さて、これが私が『プロットの種』と呼んでいるものです。
全部で6ライン出来ました。
この一つひとつが場面(シーン)です

ここで『止むに止まれぬ事情で』というフレーズが出て来ました。

「どうして、わざわざこのフレーズを挿入しているのか?」

それは、こうすると想像力が膨らむからです。
このフレーズを入れると「どんな事が起こって、こんな状態になったんだろう?」と考えたくなりませんか?私はなります(キリッ)

ですので、ウザいと感じた人は無くても構いません。

次に、これらの『プロットの種』を並べ換えて行きます。

最もショッキングな場面(シーン)を最後に、2番目を最初にするのでした。

設定

そうやって出来たのが以下の『プロット』、『登場人物』、『舞台』、『あらすじ』、『タイトル』です。
順番がおかしいと思われるかもしれませんが、出来た順番に並べました。

プロット

女詐欺師が到着する
女は体調を崩す
女詐欺師が結界の中で御札を使い、そこから出てこない
女詐欺師は白い馬を売ってくれれば体調が治ると噓をつく
女詐欺師がカモの実家で殺虫剤を使う
男の母親は反対する
男の母親が死んだ
女詐欺師がカモの北海道の実家で白い馬を売っぱらおうとするが、悩む男
娘は母親の企みを知り悩む、なぜなら男が好きになってしまったから
カモの男が実家で御札を使ったり、お社的で絵馬を奉納したりする
娘が殺虫剤(仮死状態を演出)が原因で白い馬が死んでしまう
女詐欺師が撤退する

登場人物

プロットを元に登場人物が出来ました。

【女詐欺師】
再婚を餌に騙そうとしている
男の家の貴重な馬を売って大金をせしめようとしている
娘がいる

【女詐欺師のカモになる男】
再婚しようとしている
女詐欺師に騙されている
蚊に刺されやすい
神主でもある

舞台

女のカモになる男の北海道の実家
ジャングルみたいな辺鄙な要害

あらすじ

以上を元に、以下のあらすじが出来ました。

北海道の神社が実家の男に女詐欺師とその娘がやって来た。女詐欺師は体調を崩し、あの白い馬を売ってくれれば、治るというが、その馬は、そのお社の生き神様ともいう存在だった。売ることに反対した男の母親が死に、男は悩む、執拗に迫る女詐欺師……しかし、その娘が男を気に入り、密かに心を痛めていた。そして、ついに、女が持っている殺虫剤を馬の食事に混ぜて殺してしまう。女はがっかりして、娘を連れて去って行く。しかし、その殺虫剤は、仮死状態にするだけで、馬は復活する。男は、御札を見ると、そこには娘の手紙が入っていて、悪かったと書いてあったって話

タイトル

『北海道の神主』てのはどうだろ?

課題

仮死状態に見える殺虫剤ってあるのかな?
白い馬の絶滅危惧種っているのかな?

思考過程

この結果を見ると、まるで手品のように思う人もいるかもしれません。
お恥ずかしい限りですが、思考過程のメモも公開します。

息子がいて再婚した人、男とは限らない、がお社?お参りか?それとも、神主?巫女はアカンだろ。で、殺虫剤?神社にでも行って、蚊に刺されたか?それとも草むらに隠れて、誰かを監視か?
息子がいて再婚した人が、蚊帳?今時、田舎か?田舎に帰省?離婚じゃないから、それもおかしいか……で御札?蚊帳じゃなくて、結界だったのか?○
詐欺師が辺鄙な要害?逃げてきたか?で、殺虫剤?辺鄙な要害って言うから、岩でゴツゴツした場所を想像していたけど、ジャングルという可能性もあるか。
詐欺師が蚊帳で?それこそ、田舎に逃げてきた?で、白い馬?牧場の実家で白い馬でも売っぱらおうとしてるか?○
蚊に刺されやすい人、O型か?が、お社か……蚊がいるのかな?で、白い馬?絵馬の間違いか?
蚊に刺されやすい人が、辺鄙な要害で、御札か……これが一番わからんな。あ○
さて、イメージは牧場、しかも結界、御札、詐欺師、絵馬……誰かがたぶらかされそうになって、助かる話か?
キャラはどうだ?息子がいて再婚したんだから、一応、三人ぐらし以上の家庭だ。
詐欺師は何者だ?蚊に刺されやすい人か?
カモの男の実家が北海道のジャングルで白い馬を飼っている。それは、神の化身として大切に育てられていた。女詐欺師はそれを売っぱらおうとしている。

まとめ

これを見ると、かなり時間がかかりそうに思うかもしれませんが、wikiの『おまかせ表示』から『プロットの種』を作り、あらすじを作るまでにかかった所要時間は45分でした。

さて・・・かなり恥ずかしい思考過程も公開してしまいました。
このプロットが良いのか、さっぱりわかりませんが、きっと腕の良いライターなら、これを膨らませて面白くしてくれるはずです。

もし良かったら、どうぞ使ってやって下さい。

【長編小説を書く方法3】アイデアをプロットに落とし込む方法

前回の記事では『プロットを作るための種となるアイデアの作り方』を、前々回の記事では『長編小説の書き方』を書いています。
まだ読まれていない方は、一読されてから本稿を読まれた方が理解が深まると思います。

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この記事では、いよいよプロットの作り方……言い換えるなら、発想したアイデアをどのようにプロットに変換させるか?という事を書きます。

一体、いくつのページを組み合わせるのが適当なのか?

先にアイデア発想法のところで、アイデアは既存のアイデアの組み合わせだという話をしました。

そしてその組み合わせる元は、wikiの『おまかせ表示』が有効だと前記事で紹介しました。

さて、一応 二つのページを組み合わせるだけでも新しい概念は生まれますが、別に数を増やしても良いわけです。

無限に増やす事も可能ですが、何やら訳がわからなくなりそうな予感です。

では、『一体いくつのページを組み合わせれば良いのでしょうか?』
この疑問に対する答えを考えるあたり、一度プロットの最小単位について考察してみます。

プロットの最小単位とは?

前記事では、プロットの流れのイメージについて説明しました。

本記事では、もっと小さい「プロットの最小単位であるプロット」について説明します。

といっても結論を先に言ってしまえば、それはシーン(場面)であるということです。

ハリウッド映画の予告編を思い出してみて下さい。
あれを観ただけで腹いっぱいになって、もうその映画を観た気になってしまうほどです。

あれは、興味をそそられるシーンの集まりだと言えます。

プロットは、そういう興味を惹くシーンを一つ一つ作って行って、それらの辻褄が合うように並べ替える作業だと言えます。

シーン(場面)を構成する要素とは?

では、印象的なシーン(場面)を構成する要素とは何なのでしょうか?

その答えを紹介する前に『三題噺(さんだいばなし)』ってご存知でしょうか?
落語の出し物の一つです。

「なんだ?何で唐突にコイツ落語の話なんか始めるんだ?興味ない!」

と拒絶反応を示す人もいるかもしれませんが、何かの本の中で村上春樹氏が「最近は専ら、この方法で短編小説を書いている」という趣旨の内容を書いていました。

そういう経緯があったので、私も興味をそそられたのです。

三題噺(さんだいばなし)とは

まず寄席に来た観客の中から、無作為に3人ピックアップします。
そしてその各々が、パッと思い付いた単語を噺家に伝えます。

噺家は一度の舞台の袖に引っ込み、数分間思案して、即興でオチのある話を作り、また舞台に戻って来て演じます。

時には舞台袖の思案では間に合わず、演じながら話の先を考えて困っている姿を観客が愉しむ、というものです。

もし納得が行く話に落ち着いたら、さすがプロ!という事になり拍手喝采という出し物です。

その『三題噺』の手法で作られた事で有名な演目が『芝浜』というものです。
この時の出されたお題が「芝浜」、「酔漢(酔っぱらい)」、「財布」の3つの単語でした。

先ほど『一体いくつの記事を組み合わせれば良いのでしょうか?』という問題がありました。

もうおわかりですね。その答えは3つです。

ただし、「単純に3つか……」で終わりではありません。

今一度、『シーン(場面)の構成要素とは何なのか?』について考察します。

実は、この「酔漢」、「財布」、「芝浜」の3つお題の中に、その答えがあるのです。
簡潔にまとめます。

・「芝浜」→場所、舞台
・「酔漢(酔っぱらい)」→人物、キャラクター
・「財布」→印象的なアイテム

以上が場面を構成する要素です。
この組み合わせが奇妙なら奇妙なほど、オーディエンスの注意を惹きます。

例えば、仮にお題が「芝浜」、「漁師」、「投網」だったとしたら、どうでしょう?
当たり前過ぎて、何のお話も思いつきそうにありません。

「芝浜」、「酔っぱらい」と来るから、何やら危険な香りがして来るのです。
そこへ「財布」と来たら、もう何かただならぬ予感がして来ます。

つまり、人を惹きつける場面(シーン)の構成要素は、一つは場所、一つは人、最後にアイテムということです。

新しいプロットの作り方を発明したぞ!

ついにプロットの最小単位がわかり、その場面(シーン)の構成要素もわかりました。

あとは先に紹介したwikiの『おまかせ表示』機能を利用したアイデア発想法に応用すれば良いだけです。

wikiの「おまかせ表示」機能を使って記事を表示させて、各ページの中から この3つの概念を抽出して行くのです。

そして異質なモノ同士で組み合わせる。

すると、あら不思議!何かが起きそうな予感を醸し出して来るのです。

つまりランダムに表示されたページの中から、以下の3つの属性を抽出するのです。

・場所的な属性
・人物的な属性
・アイテム的な属性

さらにランダムに引いた他のページの属性と総当たりで組み合わせて行きます。

その中で魅力的なシーンを抜き出して、あとは並び替えをする事でお話ができるのです。

つまり、プロットで言う所のアイデアとは、魅力的な場面(シーン)を作る事だったのです。

3つのページから3要素抜き出して組み合わせて行くと、6つの場面が出来上がります。

そんなに上手く組み合わせる事なんてできるのか?

さて、構成要素を組み合わせて、魅力的な場面(シーン)は出来た。
でも「どうやって並び替えれば良いのだろうか?」

それに対する答えのヒントは、前回の記事で図にしています。

プロットのイメージ
プロットのイメージ

最初と最後の直前に、何かショッキングな事件が起こります。

つまり、まず出来上がった場面(シーン)をショッキングな順番に並び替えてください。

そして1番ショッキングなモノを最後に、2番目にショッキングモノを最初に持って来るのです。

この順番を間違えると、図を見て貰えば明らかですが、大変な事になります。

『ここはとにかく、初っ端からインパクトだ!』とばかりに、一番ショッキングな場面を最初に放り込んでしまうと、最後の『絶望』部分が全然弱いモノになってしまって、オーディエンスの感覚は「うん、この主人公なら これくらいクリア出来るよね」って感じになってしまいます。

逆に言うと、この二つ以外は好きに並べてもらって構いません。

あとは練習

全3回に分けて、小説の書き方、プロットの作り方を公開しました。
途中「クド過ぎたかな?」と思う部分もあったかと思いますが、お許し下さい。
あとは、練習あるのみです。
ぜひ無尽蔵なプロットライターになって、楽しいお話をたくさん作って下さい。

さて・・・きっと・・・具体例が必要ですね。
次回は、今回紹介した方法の実例をご紹介します。

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【長編小説を書く方法2】プロットの作り方

憑依型の作家ならともかく、普通の人は物語を書き出す前にプロットというモノを用意しておかないと『いま自分が何を書いているのか』、『これからどこに行こうしているのか?』……まったくわからなくなると思います。

さて、これから2回に分けて「プロットの作り方」について説明していきますが、この記事ではその元となるアイデア、プロットの種を発想する方法をご紹介します。

前回の『長編小説を書く方法』の続編にあたりますので、まだ読まれていない方は、一読されてから本稿を読まれた方が理解が深まると思います。
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プロットのイメージ

物語の流れは、ある程度決まっています。
その辺は脚本や映画のシナリオの世界では かなり研究されていて、特にハリウッドの世界では「好まれる型」というものが存在します。
以下は私自身参考になった本です。

他にもいろいろ参考になる本があります。【シナリオの書き方】などをキーワードにして、検索してみてください。

以下に、いろいろな本を読んで、自分なりに『プロットとは?』の答えと思われるイメージを図にしてみました。

plot image
プロットのイメージ

このように、最初は主人公の日常の描写から入り、その世界観を読者に伝えます。

次に何らかの事件が発生して、主人公の日常は突然奪われて、非日常の世界に放り込まれてしまいます。

しかし、主人公の機転や協力者の出現によって、少し事態が好転する。
この主人公の機転や協力者の出現というのが その物語のテーマであって、その作家が何を魅せたいのか?によって変わって来ます。
知性派の主人公なら推理を開陳する事になるだろうし、肉体派のキャラクターならその異能を発揮するところでしょう。
読者に高揚感を抱かせる小さな「掴み」でもあります。

ですが、そのまま日常のラインに戻ってしまっては物語が終わってしまいますので、また何かトラブルなり仲間の裏切りなり、強力なライバルが出現し、後退を余儀なくされることになります。

何度かこれを繰り返した後、もう少しで日常に戻れるかも……と期待させ『この物語も、いよいよ終盤かも・・・』と思わせます。

そう思わせた所で、主人公は最初のハプニングよりももっと深刻なトラブルに落とされます。

誰が見ても『もう復帰は困難だろう・・・』と絶望したところで、物語のいくつかの場面に一見意味不明に散りばめられた伏線の回収と、それまでの主人公の成長によって、無事 元の世界に復帰できる。

日常に復帰できたその世界は、一見すると最初の日常の世界と何も変わっていないようだけど、実は主人公の中身が確かに成長している・・・といった感じです。

アイデアとは

さて、ここではアイデアとは何なのか?ついて少し考えてみたいと思います。
ちょっと遠回りのようですが『既にアイデアなら売るほど持っている』という人こそ、一度考えてみて下さい。
アイデアの定義についてです。
この本は、アイデア界?ではとても有名な本ですが、

という本の中で、『アイデアとは、既存のアイデア同士の新しい組み合わせである』という趣旨のことが書かれています。
わかりやすい例えで言えば「アンパン」です。
アンパンは、饅頭とパンの組み合わせです。
これはある宮内庁御用達になった事で有名な明治時代のパン屋さんが、パンを広めるために開発したモノです。
他にも探せば、例はいくらでも見つかるでしょう。

プロットに活かすためのアイデア発想法

ここで既存のアイデア発想法を紹介しようかと思ったのですが、そういう情報は他のサイトに譲ります。
ここではプロットに活かすためのアイデア発想法に絞って、ざっくりとですが今までに公開されているプロットの作り方と、後半にあまり紹介されていないと思う方法を紹介します。

タロットカード

タロットカードを使う方法をご存知でしょうか?

占いに使うアレです。

フール(愚者)とか車輪とか・・・あまり詳しくはないので、この辺でやめておきますが、要するにランダムにカードを引いて、それらを組み合わせてお話を作るという方法です。

難点は、「いつかアイデアが枯渇しそう・・・」という漠然とした不安が残ることです。

でも、もしかしたら この方法だけで無限にお話を捏造している凄腕ライターもいるかもしれませんね。
でも、きっと何らかのサブシステムで補完していることと思います。

その他

ずいぶん荒っぽいですが、他は大体が上記タロットの変形といえると思います。

単語帳のようなカードに、自分が昨日やった活動を単語ごと書いて行き、そのカードを裏向きに伏せて混ぜてから、2つほどピックアップして新しい組み合わせを見つけるという方法も、タロットの変形とみて良いでしょう。

または、裏が無地のチラシ(最近見かけなくなりましたね)を3枚ほど用意しておいて、ハサミでバラバラして伏せて、神経衰弱のようにピックアップして、新しい組み合わせを見つけるという方法。

巷にはアイデアカードなるものも販売されていて、そういうものを利用している人もいるでしょう。
または、そういうもののネット版のサービスもあるようです。

新しいアイデア発想法を見つけたぞ!

最後に、私が見つけて先に小説を書いた時にもっぱら利用したアイデア発想法を紹介します。

結論を先に言うと、wikiの『おまかせ表示』を使うというものです。

自分の中では、これが究極のアイデア発想法であり、プロット作成法だと思っています。

wikiの『おまかせ表示』を知らない人のために簡単に説明すると、wikiの左ナビゲーションバーにある『おまかせ表示』というリンクをクリックすると、wiki内のコンテンツがランダムに表示されます。

この『ランダムに・・・』というところがポイントです。

先に紹介したタロットカードや、その類のモノはどうしても数に制限があります。
一方、こちらのwikiの方は「無限」に近い。

これだけでアイデアの枯渇感が遠のくのではないでしょうか?

さらにもう一つの副産物として、自分がまったく興味がなかったページが読めるというのがあります。

ネット社会になって検索機能が向上したせいで、無意識的に必要な情報へのアクセスがますます減って来ていると言えます。

そういう時代だからこそ、何の目的もなしに『求めていなかった情報』にアクセスする事は非常に貴重な体験だと言えるのではないでしょうか。

さて、結論です。

先に「アイデアは既存のアイデア同士を組み合わせたモノ」だと述べました。
それなら『おまかせ表示』で出てきたページを組み合わせていけば、新しい組み合わせが生まれるではないか?
「やったぁ!」

次回告知

と喜んだのも束の間・・・ここで色々な課題がある事が段々と見えて来ます。

・そんなに上手く組み合わせる事なんてできるのか?
・一体、いくつのページを組み合わせるのが適当なのか?
・そもそもアイデアをプロットという形にするのは?

次回の記事では、これらの疑問について一つ一つ答えて行きたいと思います。

本記事では、プロットを作るアイデア発想法までしか説明出来ませんでした。
でもせっかく面白そうなアイデアが出来ても、それは一つの種のようなもので、ストーリーテーラーとしては、プロットという形に変換出来なければ意味がありません。

次回はいよいよ、発想したアイデアをどのようにプロットに変換するのか?という視点で書くつもりです。

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【長編小説を書く方法1】全体の流れ

この記事は、ド素人で才能がない私が、約1ヶ月で長編小説を書いた方法です。

この記事では、まったく初めての初心者、もしくは今までに何回か挑戦してみたもののまったく書き上げた事がない人向けのものです。

「自分も生涯にに1作くらいは小説というものを書き上げてみたい」と思って、いわゆる『小説の書き方』みたいなキーワードで検索したり、その手の本を読んでみたものの、そういう本に登場する、いわゆるプロの作家さんの話を読むと、「こりゃ土台モノが違うな・・・」とガッカリするようなエピソードが多かったように思います。

作家の中には、宮部みゆきさんや森博嗣さんみたいに、まったくプロットやあらすじを練らないで、漠然と書き始めて、本人もビックリしながら、作品が出来上がって行くという、憑依型と呼ばれるような手法(といえるか?)で書き上げるというような本当に才能がある人がいる一方で、綿密に、それこそ小説3本ぶんくらい分量の設定と独自の世界観まで作れたけど、まったく小説という形に変換出来ないという人もいます。

私などは、そんな設定なども考え付く事さえできず、それだけでも尊敬してしまいます。

この記事では、過去に小説というものを読んだ事があって、一応、小説というものがどんなものかは知っている程度の人が、どうやって長編小説という形に落とし込めるのか?という方法論を書いてみたいと思います。

お前は、そもそも書いた事があるのか?

「お前は、そもそも書いた事があるのか?」
「あんたは、プロの作家なのか?」
という質問に対しての私の答えは、一応、過去に2作(400字詰め×300枚)の作品を書き上げた経験があるということ。

菌糸教トラクト

ランチアワー

ちょっと見ていただければ、わかりますが、
商業ベースにはまったく乗っていないこと。
『一応、書き上げることが出来た』というだけで、それ以上の価値はないこと。
知人に読んでもらった限り、面白い作品にはならなかった事を正直に告白しておきます。

だから、この記事を読んだからと言って、あなたが売れっ子小説家になって、人気者になって、あなたの作品が出版ベースに乗ったり、漫画化されたりアニメ化されるなんてことは、ほぼありえないだろうと断っておきます。

『ほぼ』と書いたのは、もしかして、あなたには眠った才能があって、今までに書きかけた作品やアイデア帖や設定のようなものを沢山抱えていて、ただ、作品という形に落とし込めていないだけだとすれば、この記事でブレークスルーする可能性もあるのではないか?と思うからです。

この記事は、【エピソードA】と【エピソードC】をつなぐための【エピソードB】が思いつかずに、『何か間を埋めるアイデア発想法のようなものがあれば良いのに・・・』と思っている人の役に立つのではないかと思います。

この悩みは、私自身、二作書いてみた経験の中で何度も体験しているからです。

『私の身に起こった事があなたにも起こる』とは言い切れませんが、少なくともいくばくかの可能性はあるのではないでしょうか。

長編小説とは

この記事では、長編小説の定義を400字詰め原稿用紙で300枚、文字数換算で400*300=120,000、12万文字とします。

まず何事をするにも『物量を把握する』ということが最も重要だと思います。

漠然と「たくさん書くぞ!」と意気込んで始めるよりも、キャンパスの大きさを区切って、『このスペースを文字で埋める』と宣言する方が、進捗状況がわかるのでモチベーションが続く事になります。

長編小説を書くにあたり、このモチベーションの継続というのがひとつのキーになると思います。

小説に必要な要素

さて次に考えなければならないのが、この12万文字というスペースをどうやって埋めるのか?という事です。

本当は印象的な登場人物の創作、文学的な表現や設定の面白さや何か目玉となる特別なモチーフなどがあれば良いのですが、その辺が恐らく売れるか売れないかという事に大きく関わって来るところでしょう。

ですが、ここで問題にしたいのは最低限、お話として具現化するにあたって何が必要か?という事です。

この問題に対する私の答えがプロットです。

冒頭でも紹介しましたが、宮部みゆきさんや森博嗣さん等、小説家の中にはプロットを必要とせずに、頭からガリガリ書き始めて作品と形に仕上げる事が出来る作家さんも少なからずいる事でしょう。

私も以前に2回ほど試した事がありましたが、1ページくらいは書けるものの、作品として完成しそうな気配をまったく感じる事が出来ませんでした。

宮部みゆきさんも、どこかで『プロットは作った方が良い。私も年に何回か最終的に作品を完成できない事がある』というニュアンスの事をおっしゃっていたと思います。

つまり、小説らしきものを完成させるための技術として、プロットを作るスキルとプロットを膨らませるスキルが必要だと思います。

プロットって何?

「プロットって何?」という方のために、一応、補足しておきますと、お話の骨組みの事だとお考え下さい。
私は小説を書くプロセスを単純に以下のように捉えています。

プロットの作成

プロットの膨らまし

校正

読者に読んでもらう

どうですシンプルでしょう?

さて、順番に説明しましょう……と思いましたが、プロットの作成の部分がこの記事の核になるのですが、そうとは言え少し複雑になりますので、最後のプロセスから逆に補足説明をしておきたいと思います。

読者に読んでもらう

まずは『知人に読んでもらう』というのが一般的なのでしょうが・・・
ちなみにスティーブン・キング氏は、一番目の読者は奥さんだと彼の著書で述べられていました。

森博嗣さんは最初は娘さんだったみたいです。ですが、実はこれはあまりオススメできません。なぜなら、あなたの読者層となるターゲットが必ずしも身近な人とは限らないからです。むしろ、そういう方が稀なのではないでしょうか。

ここは批判を恐れず、最初から公の場の出すべきだと思います。

昔は、それこそ雑誌への投稿などしか道がなかったそうですが、今なら、『さあ、小説家になろう』など色々と発表できる場が増えています。

でも私などは そんな勇気がなくて、上記のサイトにコッソリ公開してヒッソリと息を潜めていますので、人の事はとやかく言えません。

でも本当にプロになりたい人は、怖くても その手の掲示板サイトに投稿するべきだと思います。

校正

さて1ヶ月近く執筆して来て、いよいよ校正です。

ここでは単純に誤字脱字のチェックだとお考え下さい。基本的にプロットがしっかりしていれば、ここで大幅なページの移動などはないはずです。

うーん・・・どうなんでしょう?・・・二作しか仕上げていない私が言うのもなんですが、少なくとも私の場合が誤字脱字以外の修正はしていません。

多少言い回しが気になって直したりしますが、それは例外的な事でした。
だから実はここでは特別なスキルはいりません。

3回見直すという、ごくごく当たり前の作業です。
出来れば他人の目があれば、自分の見落としを見つけてもらえますが、その前に自分自身で3回はチェックしたい所です。

はっきり言って、この作業は退屈です。

それとついつい、作品をいじりたくなってしまいます。
でも、ここは最初に書いた自分の直感を信じて無視するようにしないと、あとあと辻褄を合わせるのに苦労して、ほぼ完璧に破壊されると思います。

そうならない為にも、いかに最初にプロットを練り上げておくか?というのが重要なんですね。

プロットの膨らまし

最初、これって不可能なような気がしていました。

ざっと思い付いたままに書いても、何か分量が足りない。

そこで思い付いたのが、メディアの記者にとっては常識になっている5W1Hというやつです。

多少、説明がくどくなるのは覚悟の上で、自分の頭の中にあるイメージをなるべく漏れなく伝えようとするのです。

こうすると不思議な事に、漠然としていたイメージも自分が書き出す情報によって強化されて、さらにイメージが膨らむという現象が起こります。

そうすると、気が付けば たった1行のプロットが、400字くらいに簡単に膨らんでいるという事になります。

そうは言っても全く膨らまない事もありますので、そういう場合は他で膨らむ事があると割り切って、適当なところで終わらせないと、本当にただ空間を埋めるだけの作業になってしまいますので避けたい所です。

とにかくプロットだ

さて、いよいよプロットの作り方を説明します。

さて・・・本当にこれを説明するのは、一苦労です。
というわけで、このパートは別記事にすることにしました。

結局、目玉の『プロットの作り方』が別記事になってしまいましたが、小説を書くという行為におけるプロットの位置づけについて、どうしても説明する必要があると思ったので、こんなに長くなってしまいました。

[clink url=”https://www.milliwalk.com/plot_idea/”]